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漢方薬・生薬認定薬剤師試験 まとめ

漢方薬・生薬認定薬剤師の勉強をするよ。
過去問を中心に学んだことをまとめるよ。
間違ってるのもあるかもしれないから参考程度にしてね。

ちょこちょこ更新するよ。

 

 

 

修治

修治とは生薬の下拵えだよ。

 

  • 毒性刺激性副作用の軽減(附子)
  • 生薬性能の改変(地黄・芍薬
  • 薬効の増強→塩とか酒とかで加工
  • ・甘草+はちみつで灼甘草
    ・升麻、桔梗、遠志、天門冬+はちみつ→潤肺止咳効果↑
  • 変質・虫害の防止
  ・人参のでんぷん糊化
  • 矯味矯臭
  • 非薬用部分の除去
  ・牡丹皮の除芯
  • 粉砕性の向上

 

過去問によく出る奴

〇附子

・猛毒のアコニチンを蒸したりして弱毒化(炮附子)

 

〇人参

・根のでんぷんを糊化することで虫害を防ぐ
・そのまま乾燥する→白参(生干しニンジン)
・軽く湯通しして乾燥→御種ニンジン

・蒸した後に乾燥→紅参

 

〇地黄

・そのまま乾燥→乾地黄

・蒸す煮る→熱地黄

 

〇牡丹皮

・根からひげとか取り除いて芯を抜き取る(除芯)

 

〇ショウガ

・そのまま乾燥→生姜 

・湯通し蒸して乾燥→乾姜(辛み成分のgingenol↓ shogaol↑)

君臣佐使

生薬の構成は君臣左使で成り立っているよ。

 

〇君臣佐使

君:中心生薬

臣:君薬の作用を補助し、強める生薬

佐:君臣薬の効能を調節する作用をもつ生薬

使:君臣佐薬の補助的な役割をし、処方中の生薬の作用を調節したり、漢方薬を服用しやすくする生薬

(佐と使はいっしょくたのケース多い)

 

例えば… 桂枝湯(桂皮、芍薬、大棗、甘草、生姜)では

君:桂皮

臣:芍薬

佐使:大棗、甘草、生姜   になるよ。

過去問には君臣佐使の名前と役割の穴埋めで出たことがあるよ。

 

 


構成生薬から見る漢方処方の成り立ち

赤字にした部分はいろいろな問題に絡めて出されることが多いよ。

薬効や構成生薬も調べておくといいね。

麻黄剤

麻黄・・・発汗・発熱・止咳・鎮痛

葛根湯、麻黄湯、越婢加朮湯、五虎湯、ヨクイニン湯

 

柴胡剤

柴胡・・・腹診における胸脇苦満

柴胡桂枝湯、柴朴湯、柴苓湯、四逆散、小柴胡湯、大柴胡湯

 

地黄剤

地黄・・・腎虚血虚

温清飲、牛車腎気丸、四物湯、十全大補、八味地黄丸

 

参耆剤

人参、黄耆・・・気虚における全身倦怠感

十全大補湯、清心蓮子飲、人参養栄湯、補中益気湯

 

石膏剤

石膏・・・熱さまし、口渇

越婢加朮湯、五虎湯、麻杏甘石湯

 

附子剤

附子・・・冷えや痛みを改善

牛車腎気丸、真武湯、桂枝加朮附湯

 

●脾胃虚弱

脾胃虚弱の第一選択・・・六君子湯

(白朮・茯苓・陳皮・半夏・人参・甘草)
冷えにより胃腸症状あり・・・人参湯

(人参・白朮・甘草・乾姜)
さらに冷えが強い場合・・・

附子理中湯(人参湯+附子)
脾胃は正常だけど食べ過ぎの消化不良・・・平胃散

(蒼朮・厚朴・陳皮・甘草)
胃のつかえ・心下ひこう・・・半夏瀉心湯(半夏・オウゴン・乾姜・人参・黄連・甘草・大棗)
胸脇苦満あり・・・大柴胡湯

 

 

漢方の古典

古典問題は必ずといっていいほど聞かれているよ。

下にまとめた基本的なところはおさえておこうね。

 


〇「神農本草経」作者:?
後漢365種の薬物を薬効や毒性により

「上品(120種)」「中品(120種)」「下品(125種)」に分類して記載

 

〇「傷寒論雑論」 作者:張仲景
傷寒論」・・・急性疾病の治療書 
金匱要略」・・・慢性疾病の治療書

 

※ポイント

後世の書物はこの三つをあれこれアレンジ改編したりしたのが多い。

 

黄帝内径 作者:?
黄帝内経』=『素問』+『霊枢』
「内経系医書」とか「黄帝医籍」という分類で表現されることが多い
陰陽五行のバランスを重視してる。

 

唐の時代
〇「新修本草(別名「唐本草」) 作者:蘇敬

陶弘景の本草経集注をアレンジしたもの

 

〇「千金方」「千金翼方」作者:?

医学書的なもの


〇「本草綱目」 作者:李時珍

明の時代 1900種類

 

〇「本草綱目啓蒙」 作者:蘭山

本草綱目から発展した

 

〇養生訓 大和本草 作者:貝原益軒

 

〇「薬徴」 作者:吉益東洞

薬能が明らかな53種類の薬物が記載されている

漢方のアレンジ

ある漢方薬にこの生薬を足すと・・・的なトッピング問題(?)はよく出るよ。

ここは仕事にも応用できる知識なのできちんと押さえておこう。

 

〇桂枝湯(桂枝・芍薬・大棗・甘草・生姜)

  • 桂枝湯+葛根 ・麻黄 →葛根湯
  • 桂枝湯+竜骨 ・牡蠣 →桂枝加竜骨牡蛎
  • 桂枝湯+附子 ・蒼朮 →ケイシカジュツブトウ

 

※ポイント

桂枝湯は一般的には風邪薬として使用されることが多いけど

体力が衰えたときの補剤としての側面もあるよ。
なので・・・

 

〇四物湯(地黄・当帰・芍薬・センキュウ)

  • 四物湯+黄連解毒湯→温清飲

 

空欄【6】~【9】に相当する漢方処方構成生薬を下の(a) ~ (f) から選び記号で 答えよ。
1) 麻黄湯 = 麻黄、(【6】)、桂皮、甘草
2) 麻杏甘石湯 = 麻黄、(【6】)、甘草、(【7】)
3) 桂枝湯 = 桂枝、(【8】)、甘草、生姜、大棗
4) 小建中湯 = 桂枝、(【8】)、甘草、生姜、大棗、(【9】)

(a) 柴胡 (b) 膠飴 (c) 杏仁 (d) 芍薬 (e) 石膏 (f) 地黄

 

☆解説☆

麻黄湯はインフルや風邪によく使う漢方薬

気を巡らせ温める麻黄と桂皮、咳を止めるための杏仁、作用をマイルドにする甘草で構成されているよ。

麻黄湯=麻黄+桂皮+杏仁+甘草


・麻杏甘石湯は小児の喘息によく使用する漢方薬

麻黄湯に肺の熱を冷ます石膏をプラス。

麻黄湯+石膏→麻杏甘石湯


・ちなみに麻杏甘石湯+桑白皮(そうはくひ)→五虎湯

咽頭痛や咳嗽(がいそう)が強いときに使うね、小児の耳鼻科でよくみるね。

 

 

副作用

どの薬にも副作用はあるよ、漢方薬とて例外ではないよ。

有名なものから最近話題のものまでいくつかあるので覚えておこう。 

 
〇偽アルドステロン症
カンゾウ含有のグリチルリチン酸が生理的副腎皮質ホルモンであるコルチゾールをコルチゾンに変換する酵素を阻害し,増加したコルチゾール尿細管の鉱質コルチコイド受容体に作用してナトリウムの再吸収を促進させ,カリウム排泄を増加させるため低カリウム血症を生じやすくなる。
  • カリウム血症ミオパシー(筋障害の総称 筋力低下 こわばり)
  • 高血圧 
一日量投与量は甘草で2.5g(諸説あり)、グリチルリチン酸量で100mgほどが無難。
ただ併用薬・年齢・既往歴により量の加減は必要になるよ。
 
※気を付ける併用薬
  • サイアザイド系降圧利尿薬(トリクロルメチアジド)
(そのほか・・・
・B 型あるいは C 型慢性肝炎では、GL や小柴胡湯の服用に加えて、40 mL以上のグリチルリチン配合剤大量静脈投与を繰り返す例で生じ易い。この他、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド甲状腺ホルモン薬なども低カリウム血症を惹起しうる。
・β2受容体刺激薬もcAMPを介してNa+/K+-ATPase活性が亢進し、細胞外K+の細胞内への移行が促進される。)
 
 
※ポイント
甘草が含まれていない漢方薬もおさえておこう。
大建中湯、五苓散、麻黄附子細辛湯、麻子仁丸、半夏厚朴湯、牛車腎気丸、猪苓湯、柴胡加竜骨牡蛎湯
 
〇腸管膜静脈硬化症
サンシシが含まれている漢方薬の長期服用が原因といわれている。
 
初期症状:腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感
加味逍遥散、辛夷清肺湯、いんちん、
 
 
初期症状:息切れ、空咳、発熱
小柴胡湯半夏瀉心湯、清心蓮子飲、補中益気湯、牛車腎気丸、潤腸湯、抑肝散、荊芥連翹湯、二朮湯、温清飲、大建中湯、竜胆瀉肝湯
 
 
〇そのほか気をつける生薬成分
麻黄・地黄・人参・甘草・大黄・附子
  • 麻黄・・・血圧高い、心筋梗塞狭心症、胃腸弱い
  • 地黄・・・胃弱い人
  • 人参・・・血圧高い人
  • 大黄・・・胃弱い人、虚弱体質
  • 甘草・・・浮腫み、血圧高い

 

 

漢方のおしゃれな使い方

漢方薬の使い分けや新しい使い方など知っておくと一味違う知識。

 

認知症アルツハイマー認知症

  • 改善する可能性がある生薬 :人参・黄耆・遠志   
  アルツハイマー型:加味帰脾湯、帰脾湯、 加味温胆湯

  脳血管型認知症:釣藤散

〇呼吸器疾患

  • 温度差に依存せず咳発作・口渇→麻杏甘石湯
  • 寝てるときに咳強い→半夏厚朴湯
  • 手足に冷え悪寒あり→麻黄附子細辛湯
  • 強くせき込み、咽頭の乾燥感→麦門冬湯

〇糖尿病

(上)口渇・多飲→白虎加人参湯、麦門冬湯

(中)便秘→大柴胡湯、防風通聖散

(下)多尿・体力疲弊・腎障害→八味地黄丸、清心蓮子飲

 

  • 眼底出血→温清飲
  • 糖病病性網膜症白内障→八味地黄丸
  • 糖尿病性神経障害→牛車腎気丸
  • 多尿・残尿感・頻尿→清心蓮子飲
  • 口渇→白虎加人参湯

 

〇冷え痛みの改善

附子剤がメイン(新陳代謝亢進作用、鎮痛作用、強心作用)

陰病で寒の症状が甚だしい状態に用いる温熱薬として位置づけられている。

なので附子剤を用いるのは、体力の低下、四肢の冷えなどエネルギーの不足の状態 (陽病に用いると附子の中毒症状が増す可能性)

  • 真武湯(しんぶとう):下痢や腹痛などの消化器症状、慢性腎炎、神経痛など使う
  • 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう):悪寒や寒気が強いなど冷えの強い風邪に用いる。
  • 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):関節痛や神経痛など四肢・体幹の疼痛性疾患
  • 附子理中湯(ぶしりちゅうとう):冷えが強い人の胃腸障害、食欲不振などに用いる。
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):腰部や下肢の倦怠、冷え、痛み、脱力感や、腎炎、糖尿病、白内障などに用いる。

 

 ※ポイント

〇地黄丸類の使い分け 

  • 六味丸+附子・桂枝(あたためる)→八味地黄丸
  • 八味地黄丸+ゴシツ・シャゼンシ(痛み止め効果強い)→牛車腎気丸

なので火照りの記載あれば六味丸 、冷えがあれば八味地黄丸、痛み顕著な場合は牛車腎気丸が適している。

 

〇肥満

  • 大柴胡湯・・・上腹部が張っている(胸脇苦満)
  • 防己黄耆湯・・・色白、水太り、膝関節に痛みあり

 

○×問題

1)十全大補湯は補剤として体力低下の改善に用いられる。

2)桂枝茯苓丸は駆瘀血薬のひとつで婦人薬として用いられることが多い。

3)葛根湯は体力が無く胃弱な人の、発汗を伴う風邪に良い。

4)八味地黄丸は胃炎、胃アトニーの改善に用いられる。

5)芍薬甘草湯は急迫性疼痛に有効であり、こむら返りにも薬効を示す。

 

×葛根湯(&麻黄湯)は発汗がないときに用いる&地黄が含まれているので胃弱い人には向かない。

×八味地黄丸は腎虚に用いる。

 

 ○×問題

1)葛根湯は低血圧の人に使用するとき特に注意を要する。

2)小柴胡湯インターフェロン製剤と併用してはいけない。

3)麻黄、人参は血圧の高い人に使用するとき特に注意を要する生薬である

4)甘草は浮腫のある人に使用するとき特に注意を要する生薬である。

 

×葛根湯はグリチルリチンの影響で血圧上昇することがあるので高血圧の人で注意

小柴胡湯インターフェロン併用で間質性肺炎がおきることあるので禁忌

○麻黄、人参では血圧が上がることがあるので注意

○甘草はグリチルリチンの影響で浮腫むことあるので注意

 

〇×問題

a.麻杏甘石湯は比較的体力のある人で、咳嗽が強く、口渴や自然発汗がなく、熱感、喘息、呼吸困難などを訴える場合に用いられる。せき痰は粘稠でやや切れにくいことが多い。また小児によく用いられる。
b.五虎湯は比較的体力のある人で、喘鳴、呼吸困難、喀痰、顔面紅潮を伴う激しい咳嗽があり、口渴や自然発汗が認められる場合に用いる。また、小児にしばしば用いられる。
c.神秘湯は体力中等度あるいはそれ以上の人が、咳嗽、喘鳴、呼吸困難を訴え喀痰の少ない場合に用いる。抑うつ気分などの精神神経症状を伴うことが多い。
d.清肺湯は比較的体力の低下した人で、咳嗽が遷延化し、水溶性痰あるいは水溶性鼻汁が多い場合に用いる。その他咽喉頭異常感や咽喉頭痛などを伴うこともある。
e.竹筎温胆湯は比較的体力の低下した人で、感冒、流感などの呼吸器症状を伴う疾患に罹患後、咳、痰、微熱などの症状が遷延した場合に用いられる。軽度の胸脇苦満、不眠、精神不安、軽度の心悸亢進などの気鬱症状や脾の衰え(食欲不振、腹部膨満感)を伴うことがある。
 
×
a 麻杏甘石湯は口渇・自然発汗ありの場合に用いる
d 清肺湯は量多く切れの悪い痰に用いる。イメージはたばこ
 
便秘の治療に用いられる大黄を含む漢方処方とその構成生薬についての以下の文章の空欄に当てはまる適当な言葉を回答欄から選び、記号で答えなさい。
1.便秘の第一選択処方である(大黄甘草湯)は二味の生薬から構成されている。 2.高齢者の水分が少ない硬い便の便秘には(麻子仁丸)や(潤腸湯)が用いられる。(麻子仁丸)は(麻子仁)、大黄、枳実、杏仁、厚朴、芍薬から構成され、そのうち主薬の(麻子仁)が杏仁とともに腸内を潤すことにより排便を促し、(芍薬)は腹部の緊張を緩める。血熱・血虚が原因の常習性便秘に用いられる(潤腸湯)も配合される(麻子仁)が腸内を潤し(当帰)、(地黄)は血熱により乾燥した血を補う。 3.(大柴胡湯)は胸脇苦満、心下痞硬を認める便秘傾向に用いる。
4.胃部不快感、膨満感、便秘に用いる(調胃承気湯)は大黄、(芒硝)により排便を促し、(甘草)は腹部の緊張を緩和し痛みを和らげる。
5.(乙字湯)は比較的体力のある人の痔疾を伴う便秘に有効である。
6.(桃核承気湯)は瘀血を認める便秘や精神疾患に応用され、下腹部の瘀血症状を(桃仁)が除く。
解答欄a. 乙字湯 b. 麻子仁丸 c. 大黄甘草湯 d. 潤腸湯 e. 桃核承気湯 f. 調胃承気湯 g. 桂枝加芍薬湯 h. 大柴胡湯 i. 芒硝 j. 芍薬 k. 桃仁 l. 麻子仁 m. 当帰 n. 桂皮o. 甘草 p. 地黄 脾胃失調の治療原則について述べていますが、
 
文中の( )内に適切な漢方方剤を解答欄から選び、記号で答えなさい。
脾胃の虚証の食欲不振に対する代表的な漢方方剤は(六君子湯)であり、高齢者や病後の食欲不振にも汎用される。 また、脾胃の虚弱な人には、冷え性の人が多い。これは体内の昇降機能が失調し、陰気が下に鬱滞するためである。腹痛や下痢をきたす場合には脾胃を温める ( 人参湯)を用いる。冷えがさらに強い場合には(附子理中湯)を用いる。
一方、脾胃は虚弱ではないが食べ過ぎによって消化不良をきたすことも多い。この場合の基本方剤は(平胃散)である。胃に停滞する不消化の食物を消化させる働きがあると言われている。さらに特に脾胃が虚弱ということはないが、胃がつかえるなど心窩部に心下痞鞕を認めることも多く、下痢や腹鳴なども併発する場合がある。
その時は(半夏瀉心湯)を用いることが多い
半夏瀉心湯b附子理中湯c人参湯d六君子湯e平胃散
 
a.比較的体力の低下した冷え性の人で、反復性に起こる激しい頭痛を訴える場合に用いる。項や肩の凝り、嘔吐などを伴う場合や月経痛、上腹部痛、心窩部に膨満感や痞塞感あるいは振水音を認める場合がある。(呉茱萸湯)
b.比較的体力の低下した人の食欲不振、胃部停滞感、心窩部痛、下痢などの胃腸症状に冷え、のぼせ、発熱、頭痛、心悸亢進などが伴う場合に使用される。(桂枝人参湯)
c.体力中等度あるいはやや低下した中年以降の人で、慢性に経過する頭痛、肩こり、目眩などを訴える場合に用いる。朝方の頭痛、頭重感やのぼせ、耳鳴り、不眠、眼球結膜の充血、易怒性、イライラ感、意欲の低下、高血圧傾向、振戦、痙攣などを伴うことがある。(釣藤散)
d.比較的体力のある人で、炎症性あるいは疼痛性疾患の初期あるいは慢性疾患の増悪期に用いる。感冒などの熱性疾患では、初期で悪寒、発熱、頭痛、項背部のこわばりがあって、自然発汗を伴わない場合、疼痛性疾患では局所の疼痛、腫脹、発赤などを訴える場合に使用される。(葛根湯)
e.体力中等度の人で、頭が重い、あるいは雨の日の前日に頭痛が悪化することが多く、胃腸障害やふらつきが認められる、あるいは口渴、尿量減少、浮腫を伴うことがある。(五苓散)
 
処方名群 1.葛根湯2.半夏厚朴湯3.五苓散4.柴胡加竜骨牡蠣湯 5.桂枝人参湯6.呉茱萸湯 7.小柴胡湯 8.釣藤散9.麦門冬湯 10.当帰芍薬
 
女性の病気の漢方治療について以下の記述のうち括弧に適当な処方を下から選んで、そのアルファベットを解答欄に記入しなさい。
1.(桂枝茯苓丸)は体力が充実しており冷え、のぼせが強く下腹部圧痛がある患者に用いられるが、(当帰芍薬散)は華奢で弱々しい若年女性の冷えや浮腫、めまいに、(加味逍遙散)ははやや華奢な感じの中年女性の更年期症状の特にホットフラッシュや不眠、イライラに用いられる。
2.寒冷刺激で誘発あるいは増悪する末梢循環障害による若年女性の手足の冷えや腹痛には (当帰四逆加呉茱萸生姜湯)が用いられ、新陳代謝の低下による冷えには附子を含む(真武湯)や(八味地黄丸)などが用いられる。
3.(五苓散)は口渇や尿量減少、浮腫、水瀉性嘔吐などに用いられるが、(苓桂朮甘湯)は末梢性めまいやのぼせに用いられ、(【24】)は末梢性めまいの背景に胃腸虚弱があり、疲れやすいものに、(防己黄耆湯)は水太りや多汗、下腿浮腫に用いられ変形性膝関節症の第一選択薬である。
 
a. 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 b. 加味逍遙散 c. 防己黄耆湯d. 五苓散 e. 当帰芍薬散 f. 八味地黄丸 g. 苓桂朮甘湯h. 桂枝茯苓丸 i. 真武湯 j. 半夏白朮天麻湯

確認試験

 

〇気泡試験
サポニン+水→泡立つ

威霊仙、遠志、ゴシツ、柴胡、セネガ

 

リーベルマン試験 

トリテルペノイド、 ステロイド+無水酢酸+濃硫酸

→トリテルペノイド赤紫、ステロイド

猪苓、ブクリョウ、オウセイ、サンヤク,ゴオウ

 

マグネシウム塩酸 

フラボノイド+リボン状マグネシウム+塩酸→アントシアニン系色素

エイジツ、キジツ、ジュウヤク、チンピ

 

〇ドラーゲンドルフ試薬 

アルカロイド→橙赤色の沈殿

 

〇塩化鉄試薬 

フェノール性水酸基→暗紫青

アマチャ・オウゴン、クジン、ゴシュユ

 

〇でんぷん 

でんぷん+ヨウ素液→ フェーリング試薬 

 

〇還元糖

オウセイ・シャゼンシ

 

精油を含む生薬

茴香、 枳実、 桂皮、 細辛、 十薬、 蒼朮、 丁字、 陳皮、 当帰、 薄荷、 白朮

 

薬用部位・成分まとめ

まずは、よく問題になる生薬の薬用部位をまとめるよ

根と根茎は紛らわしいので注意しなきゃね。

 

 〇果実

〇果皮

  • チンピ・・・ミカン科
  • サンショウ・・・ミカン科

〇種子

〇 根茎

  • 黄連・・・キンポウゲ科
  • センキュウ・・・セリ科
  • 大黄・・・タデ科
  • 生姜・・・ショウガ科
  • 蒼朮・白朮・・・キク科

 

 

〇根

  • 黄耆・・・マメ科
  • 黄ごん・・・シソ科 コガネバナ バイカリン
  • 遠志・・・ヒメハギ科
  • 葛根・・・マメ科
  • 桔梗・・・キキョウ科
  • 柴胡・・・セリ科 ミシマサイコ
  • 地黄・・・ゴマノハグサ科 ジオウ
  • 芍薬・・・ボタン科 ペオニフロリン
  • 当帰・・・セリ科
  • 人参・・・ウコギ科
  • 附子・・・キンポウゲ科 アコニチン
  • 牡丹皮・・・ボタン科 ペオノール

 

〇花

〇樹皮

〇根及びストロン

 

 

 
 

構造式

 たぶんみんな苦手な構造式。
生合成経路と構造式合わせて覚えておこう。
 
〇ケイヒ酸経路(フェニルプロパノイド)
フェニルプロパノイド (phenylpropanoid:フェニルプロパノイド)
フェニルアラニンまたはチロシンから生合成され、C6-C3の基本構造を持つ化合物の総称
シキミ酸経路を経て生合成される。

  • アネトール(ウイキョウ):語尾が~ol だけどOH基はもっていない
 
anethole
 
  • オイゲノール(チョウジ)
 
 eugenol
 
 
 
Cinnnam
 
 
〇フラボノイド
C6(芳香環)-C3-C6(芳香環)の構造を持つ化合物の総称
(要するに、2つのベンゼン環が炭素3つを介して結合しているような化合物)
ケイヒ酸+酢酸マロン酸経路
 
  • イカリン(黄ごん)
 baicalin
 
・ツボクラリン
 
https://www.kegg.jp/Fig/compound/C07547.gif
 
 
 
・センノシド(センナ・ダイオウ)
 
「センノシド 構造式」の画像検索結果
 
 
〇テルペン
基本的に基礎骨格が複数個のイソプレン isoprene (C5)単位で構成される一群の天然物質の総称で、イソプレノイド(isoprenoid)とも呼ばれる。「テルペノイドはいくつかのイソプレン単位から構成される」という考え方をイソプレン則という。
テルペノイドには、C10からなるモノテルペン、C15のセスキテルペン、C20のジテルペン、C25のセスターテルペン、C30トリテルペンなどが含まれる。
 
  • メントール(ハッカ):モノテルペン

「メントール 構造式」の画像検索結果

 

 

  • グリチルリチン(葛根):トリテルペノイドサポニン
 
glycyrrhetic
 
 
トロパンアルカロイド
トロパン骨格を持ったアルカロイドの総称
水酸基をもつトロピンアルカロイド水酸基とカルボキシル基をもつ、コカアルカロイドに分けられる。
 
 
 
 atropine
 
 
 
morphine
 
 
 
 
「アコニチン 構造式」の画像検索結果
 
「キニーネ 構造式」の画像検索結果
 
 
 
 
「ビンブラスチン 構造式」の画像検索結果
 
  • ベルベリン(黄柏):
 
berberine
そのほか
 
 Ephedrine.png
 
 

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